カザフスタン: カザフ語のラテン文字化に関する議論

カザフスタンは公用語をラテン文字表記に切り替えようとしている。この移行には12-15年を要すると発表された。adam_kesherが書いているように、この計画は多くの議論を呼んだ。特にロシアとカザフスタン国内のロシア語話者にとって、ラテン文字表記への移行は不利な動きだと考えられている。しかしブロガー達はその可能性に対してむしろ好意的である:

「言語のデジタル化が楽になって世界中の人々にとって読みやすくなり、国内の教育水準が上がるだけでなく、カザフ語文法の簡略化につながるし文字数も減ることになる–ロシア語のステータスが今の状態に留まるのならの話だが。」

しかし彼は2点の懸念事項を挙げている: 第一に、政府の計算があまりに低く見積もられている点だ。明らかに科学的な調査やモニタリング、統制、またカザフ文学や新カザフ語に翻訳される世界文学の翻訳について考慮していない。第二に、移行作業について、どういうわけか最もうまくいかなかったウズベキスタンのモデルを採用している点だ。

ブログ界の反応は非常に真剣で白熱したものとなった。カザフスタン国外からの観点は、ほとんどが好意的である:

トルコ人学生のDaveは、世界的にみて言語学的障壁がなくなるラテン文字化を心待ちにしている。A-Guestは、ラテン文字化は何年も前に政治的・経済的理由からキリル文字表記に切り替えたのと同じで、言語学的有利・不利にはあまり関係しないという意見を述べている。また同時に、ラテン文字化はロシアからの影響から遠ざかるための望みにすぎないとも言っている。

Ataman_Rakinは、カザフスタンにおけるロシアの影響は非常に大きいと述べているーカザフスタン国民の3分の1がロシア民族であり、それ以上のカザフ人達がロシアに同化している。 また、都市部のカザフ人の多くは事実上母語としてロシア語を話している。彼は同時に、カザフ語のラテン文字化は、総じて国家としてのカザフアイデンティティとカザフ人達を有利かつ強固にできると提案してこの計画を支持している。

しかし、国内の意見は非常に懐疑的である:

Adamは密かに、この計画はお金を盗み取るためか、このアイデアの評価を落とすためか、またはその両方のために故意に妨害されているのではないかと疑っている。Aslili は言語を使った悪い遊びだと警告している。「人々は何でも学ぶ事ができるが、他の国のモデルを丸写しした岳では危険すぎる」Cheerful-Husky は、文字の変更はこの国の歴史に対する犯罪だと考えているー1940年にキリル文字表記が導入される以前のカザフ語はラテン文字で表記されていたが。Pacifistttはこの計画に反対だ。ラテン文字化は時間と金の無駄であり、さらに混乱を招くことになるーこれは全てこの国の劣等感によるものだ、と述べている。

Aitazhi はこの移行ステップの政治的論法などではなく、カザフスタンの科学、教育現場の全般的な状況について懸念している: 「カザフ式の『言語グローバリゼーション』は教育、文学、翻訳そして術語学に関する問題をさらに悪化させるだろう。貧相な教科書と辞書しかない状態で誰がそれらの問題を解決するというんだ?」M-kaaはこれに同意する。「ラテン文字化は今日の優先事項ではない。愛国主義やグローバリゼーションなどと言っている時期じゃないんだ。もっともっと多くの重要事項があるんだ。カザフスタンで現在発行されている非常識な教科書をみてみろよ。」

Izumchegはこうした意見に反対している。「私はラテン文字がいい。携帯通信ではカザフ語を使えない。カザフ語アルファベット42文字分の容量がないからね!時期尚早とか金が盗み取られるとか言うけど、じゃあその時期はいつ来るんだ?今までそのお金が安全だったことがあるか?こんな時はもう二度と来ない。そしてカザフ人達は技術進歩の道ばたに取り残されるだけだ。」そして彼は、この議論に賢明な結論を下している。

「この問題に興味をもつ人全員が書く事だ。ブログや新聞や大学の論文にね。僕たち一人ひとりが声であり意見なんだ。決定事項はここ、僕たちのそばで作られる。役人達はインターネットや新聞で読む。本当に必要なものには興味を示し、意見を述べる事だ。そうしたら正しい方向にものごとが進むチャンスはより高くなるんだ。」

驚くべき事に、ブログ上で交わされたこの議論の数日後、ヌルスルタン・ナザルバーエフ大統領が公式訪問中だったトルコからニュースが届いた。Adamは、これについて茶化しながら応じている: 「大統領閣下はきっとカザフスタンのブロガー達の意見をよく吟味したんだね。そしてカザフ語のラテン文字化は急ぐべきではないと提案したんだよ。」

原文:Adil Nurmakov

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.