コロンビア:人質救出が新たな問題を生む

7月2日(水)、10年以上もFARC(コロンビア革命軍)に拘束されていた人など元大統領候補イングリッド・ベタンクール女史その他14人が、コロンビア軍によって解放され、この救出劇は「完璧」だと評された。が、コロンビア社会からは、これが及ぼすかもしれない影響について、また、その裏に隠されている利害関係に関して懸念する声があがっている。

ブロガーVictor Solano[Fr]は、フランス語のラジオ番組Radio Suisse Romandeで放送されたニュースと、人質15人の解放に米軍がFARCに2000万ドルを提供したというスペインのelpais.comで報じられたニュースについて取り上げている。

Twitterでは、Jerome Sutterは、フランスのサルコジ大統領のような公式対応の裏には経済的便宜の交換があったからではないかと示唆している。

同じく、Twitterで、Gerente(スペイン語)はWラジオ局で人気番組を持っている有名アナウンサーのJulitoを引用している。「(Julitoは)『人質解放はでっちあげで、悪辣で、あまりにもひどい』というコロンビア人作家の論客フェルナンド・ヴァレーオの発言を放送したが、実際にヴァレーオが言ったのは[Es]、『イングリッド・ベタンクール自身がそうだ、メディアが彼女だけに注目して、彼女以外の数百人もの人質を取り上げないなんて、あきれた話さ』だった」

オンラインマガジンequinoXio [Es]のMarsaresは、救出作戦が万全すぎて、今や懐疑的にとらえている人もいるという。彼自身はそうも思っていず、そうした批判の根拠を比較してみせている。しかし、「トロイの木馬」戦略で実行され、人道的救出を装い、彼ら以外の人質が今後あらゆる人道支援を受けることが困難になったことは認め、含みは持たせている。

ジャーナリストでブログも展開しているアナスターシャ・モロニーは、ゲリラが残りの人質に報復したり、殺害したり、家族を襲ったりしないかどうか、心配している。そして、イングリッドや米国人3人が自由のみとなったことで、未だにとらえられている人質の解放を求める国際的圧力が弱まることを危惧するのだ。

見出しの写真: Redking

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