ザンビア:インターネット監視に中国人技術者?

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ザンビア政府は、中国の技術者と共同で、インターネットを利用者に気づかれずに監視する設備を国内に整備したと伝えられている。この動きに合わせてマイケル・サタ大統領は、大統領府内特別部署(ザンビア安全情報局としても知られる)に対し、法務大臣の命令があれば、ザンビアの全住民の電話やオンラインコミュニケーションの監視を行うことのできる権限を与えた

President Sata surfing the internet

ネットサーフィンをするマイケル・サタ大統領

担当部署が監視を始める予定のターゲットは、フェイスブックやTwitterなどのソーシャルメディアサイトやブログ、メールなどに加えて「反政府的な」サイトだ。政府は、現地通貨で10兆ザンビア・クワチャ(USドルで約180万ドル)に近い額を中国人技術者との提携に対して払ったとされる。

無所属の独立系ニュースサイトのザンビアン・ウォッチドッグは、ザンビア情報通信技術局(ZICTA)の職員が、電話やインターネットのプロバイダー企業に、大統領府および中国のIT技術者達の設備立ち入り、ネットワーク体系の調査を受け入れるよう依頼したと伝えている。ネットワーク内で傍受機能を構築できそうな箇所や、監視用の「裏口」を特定するためである。コンピューターワールドによると、この件に関してザンビアと中国の当局は、この協力について否定しているという。

匿名者からザンビアン・ウォッチドッグに寄せられた情報。

They have already started their work […] They have been visiting service providers so as to understand the topology of network. For those who may not know, it (topology) is appreciating the network architecture, things like where the servers are so that they know [where] to install their interception devices.

彼らは、すでに作業を始めている。[…]サービスプロバイダーの元を訪ねて、ネットワークのトポロジーを把握している。トポロジーとは、サーバーの位置など、ネットワーク体系を評価するもので、それによりどこに傍受用機器を導入すればよいのかが分かる。

プロバイダー側は、政府が人々の私的なやりとりに介入すると、投資者の信用を失う可能性があると主張している。人々がネットワークへの新規加入や長電話に気乗りしなくなるためだ。このような変化は、企業の業績に影響を及ぼしうるというのだ。

You know what, when people speak for a long time on the phone, mobile phone company providers make more money. But you will now have a situation where people will merely call each other for setting-up interpersonal meetings to discuss confidential information, unlike in the past when others would even have mobile conference meetings.

携帯での通話時間が長いほど、通信会社の利益は増す。しかし、人々は、部外秘の情報を議論するクローズドな会議に関して、電話では準備をするだけになるだろう。携帯電話で会議をしていた昔とは、事情が変わるのだ。

さらに、この取り組みでCoppernetやIconnect、それにザムネットといったプラットフォーム上のメールサービスの加入者も減るものと思われる。これらの提供元は、ザンビアのISPであり、政府主導の監視システムに早いうちから組み込まれると考えられるからだ。ザンビアの人々は、GmailやYahooなどが提供するメールアドレスを持つようになるだろう。

今回の件だけが、マイケル・サタ大統領の就任中に施行された抑圧的措置ではない。2011年の就任直後、大統領は新しく自ら任命した法務大臣にオンラインで発信されるニュースをコントロールさせているのだ

政府はさらにSIMカード登録政策を開始しており、国民の携帯電話には、ZICTA発行のSIMカード登録が必要だとしている。市民は、この政策の負の影響を感じていた。国内のある地域で最近行われた補欠選挙の際、人々は特定の与党立候補者への投票を勧める迷惑メールを受信するようになった

グローバル・ボイス・アドボカシーでは、ザンビアにおけるこの政策の進展が明らかになり次第、取り上げていく予定だ。

校正:Rie Ihara

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