フィリピン:台風被災者は問う「政府はどこ」?

Resident of eastern Samar have set up temporary shelters after the storm. Image from Plan Philippines

東サマル州、台風後建てた仮設小屋で避難生活を送る住民 写真:Plan Philippines提供

グローバルボイスの特集記事「フィリピン台風30号被害」もご覧ください。

大型台風ハイエン(フィリピン名:ヨランダ、訳注:以下台風30号と表記する)がフィリピンの中心部を襲ってから6日が過ぎた。しかし、救援はまだ多くの被災者のところまで行き届いていない。多数の遺体が今も道に横たわり、難民たちは食べ物を求めている。台風被害を受けたヴィサイヤ諸島の中には救助の手が届いていない離島もある。

台風30号は津波のような高潮を引き起こし、一瞬にして何千人もの命を奪った。レイテ州とサマル州地方は中でも被災状況が最も悪く、多くの村が荒廃してしまった。最新の公式報告によれば、2,000人以上が死亡した。しかしまだ収容されていない遺体も多く、死傷者数はまだ増加するものと見込まれている。

誰の目にも緩慢に見える政府の対応に対し、ソーシャルメディア上にも不満の声が表れている。

民間の人たちから救助・救援が次々と寄せられ、あふれかえるばかりではないか。そのようなときに政治家はどこに行ってしまったのか、また政府はどこに行ってしまったのか。政界や官界の対応ぶりを歯がゆく思う。

あの惨劇から5日が経つのに僕らの政府はどこにあるんだ? @govph ピノイ(訳注:ノイノイ・アキノ大統領)、訓練はもう終わった。迅速に行動する時が来たんだ!#shame #yolandaph

台風30号( #YolandaPH)が来襲してから6日が経つ。しかし悲しいかな、政府からの援助は被災者にはほとんど感知されていない。遺体は道路の至る所に散乱して、収容されるのを待っている。

世界中のメディアが、台風30号被災者に対するフィリピン政府の対処の仕方は不十分だと報道している。大統領が決裁した1兆ペソ(訳注:約2.3兆円)の予算はどこへ行ったの? うーん?

台風被災者のための資金は一体全体どこへ行ったのだろうか?。答えが政府のポケットの中にあったとしたら?。人間を信じることができない:(

世界中から援助が押し寄せている。しかし、これらの援助を効率的に配分する仕組みが整っていない。

寄付があふれている。それなのにまだ台風被災者は空腹や寒さから解放されていない。私はフィリピン政府( @govph)ができるだけ早く輸送問題を解決することを望む!!!#YolandaDay6

目立った救援活動が行われていないことに激しい怒りを感じる。大がかりな救助活動や系統だった救助活動がなされていないではないか。混乱している。-@sanjuncssr #YolandaPH

タクロバンが今回の災害の「中心地」と考えられている。しかし、他諸島も同様に打撃を受けた。それなのに、その状況は十分に報道されていない。アイ・ヘルナンデス氏はカピス州地方を訪れ、彼が見聞した結果を公表している。

Houses made of light materials was either flattened on the ground or was heavily damaged. Houses made of concrete materials survived the force but lost their rooof partially or totally. The damages were a bit distrubing when we entered the municipality of Ivisan.

Some families were setting up tents in the highway and maybe because most of the houses were made of light materials, the sight was heartbreaking.

With this kind of destruction, what kept us surprised was the seemingly absence of relief operation in those municipalities. There is no help flowing in.

軽量材でできた家屋はぺちゃんこに押しつぶされたり、ひどく損傷を受けたりしている。コンクリートでできていた家は台風の衝撃に耐えても屋根が部分的に破損したり、あるいは完全に吹き飛ばされている。イヴィサン町に足を踏み入れた時、その被害状況は私たちの心を少しばかり揺さぶるものだった。

一部の家族は道路にテントを張っている。ほとんどの家が軽材料で建てられているからであろう、その光景には胸が痛む。

このような崩壊に直面して驚いたことには、見たところこれらの市町村では救援活動が行われていないのだ。救助の流れはこれらの市町村にまで流れて来ていない。

下の写真数枚は、台風30号が最初に襲った地方のサマル州から。

東サマル州のエルナニ、救急車でさえ#Haiyan #YolandaPH(台風30号)の怒りは免れない。@CarinAtPlan @PlanPhilippines

東サマル州では台風30号(#Haiyan #YolandaPH)のあと道路に沿って、潰れた車が3台放置されていた。

フィリピン国民は多くの国からの支援に感謝している。

Image from Facebook of Jeffrey Cruz

写真:フェイスブックよりJeffrey Cruz提供

政府関係者であるルーフィー・ビアゾン氏は何が至急されるべきであると思うかを記した。

While the relief operations are ongoing and everyone is pitching in to lend a helping hand, there should be someone stepping back, taking a look at what has happened and study what went wrong, what should have been done and what to do to prevent the preventable, prepare for the inevitable and provide resources for the doable.

This should be done at the national level and most importantly, at the local level

被災地では救援活動が進行中で、多くの人が救助の手を差し伸べている。しかし、その一方、そういったことから一歩退いて、何が起こったのかを見極める人材も必要である。そういった人材は、何がまずかったのか、何がなされるべきだったのか、そして避けてしかるべきことを避けるにはどうすればよいのか、避けて通れない物事に対してはどのような備えをすればよいのか、そして実施可能な手段として何を備えておくべきかといったことを把握する仕事を担うのである。

こういった仕事は国家レベルで実施すべきことであるが、最も主要な部分は地方レベルが担うべきである。

校正:Masato Kaneko

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