ウクライナとロシアのユーザー、「政治目的のブロックを止める」ようFacebookに要請

Title image from the Change.org petition page, displaying headlines of media coverage of the Facebook bans.

「Change.org」キャンペーンページで使われたメイン画像。Facebook非難の声を報道する記事の見出しを集めたもの。

「世界中にいるウクライナ人・ロシア人のFacebookユーザーのコミュニティ(the worldwide community of Ukrainian and Russian FB users)」と名乗る、インターネットとソーシャルメディアのユーザーグループが、ウェブサイト「Change.org」上でキャンペーンを開始した。その目的は、このグループが主張するところの進行中の出来事、つまり、ウクライナとロシアのFacebookプロフィールに対して行われた不当で偏ったブロックについて抗議することである。

「Facebook上での政治的ブロックを止めろ」と題されたそのキャンペーンは、最近ロシアとウクライナにおいてFacebookユーザーが検閲を受けた中で、特に注目を浴びたいくつかの例を要約して挙げ、「Facebookはロシア政府の有能な手先になった」証拠としている。2014年12月にロシアの野党党首、アレクセイ・ナワルニー氏のイベントページがブロックを受けた例を含め、より最近、ロシアのオンライン上の著名人であるルスタム・アダガモフ氏、アントン・ノシック氏、ジャーナリストのセルゲイ・パルホーメンコ氏の、投稿やアカウントが削除された。ウクライナの著名なジャーナリストであるヴァフタング・キピアニ氏、ユーリー・ブドゥソブ氏、率直な意見を発信する詩人のアンドリー・ボンダル氏のアカウントも同様である。

そのキャンペーンの発起人たちは、Facebookがこの事態を「十分深刻に」受け取っていないこと(このソーシャル・ネットワークの創始者マーク・ザッカーバーグは公式にこの問題について懸念を示したが、「政治的」偏見への批判についてはほとんど触れなかった)に対し、遺憾を表明した。そして、「誰かに雇われた者による荒らし行為に耐えられ、かつ政治的目的達成のための乱用を防ぐことのできる、新たな議論管理システムが導入されるまで」、ロシアとウクライナのユーザーアカウントへのブロック行為を停止することを要求した。

We don’t know why Facebook seems so eager to block people protesting against the Russian government policies. Perhaps its moderator team is not savvy enough, not large enough, or politically biased. […] But whatever the reason, the Russian government has learned to subvert the current moderation system and abuse it for its own political gains.
[…]
Cyber-attacks against opposition that come from Russia and target mainly Russians and Ukrainians may seem like a small problem that only concerns a fraction of Facebook users. However, if this problem is not addressed today, tomorrow the same tactic might be used by governments and political movements across the world to silence their opponents. During the Arab Spring, Facebook became synonymous with the freedom of speech. It will be sad indeed if it turns into a symbol of its suppression.

Facebookが、ロシア政府の政策に抗議する人々を何故そこまでブロックしようとしているのか、私たちには分からない。恐らく管理チームが、知識不足なのか、十分な規模がないのか、政治的偏見を持っているのかだろう。 [中略] しかしどんな理由であれ、ロシア政府は現在の管理システムを破壊し、自らの政治的利益のためにそれを乱用することを学んだのだ。
[中略]
主にロシア人とウクライナ人をターゲットにした、ロシア野党に対するロシア政府からのサイバーアタックは、ほんの一部のFacebookユーザーに影響するだけの、小さな問題に見えるかもしれない。しかしながら、今日、ここでこの問題が議論されなければ、明日、ロシア政府や世界中の政治団体が、彼らの反対者を黙らせるためにまた同じやり方をするかもしれない。アラブの春の時には、Facebookは言論の自由と同じ意味を持っていた。もしそれが言論の抑圧という意味に変わってしまったのなら、全く悲しいことだ。

5月26日に始まったそのキャンペーンは、開始後10時間で1700以上の署名を集めた。その中には、ロシアやウクライナの多くの著名人たちの署名も含まれる。

Facebookは以前より、コミュニティ規定への違反と報告されたコンテンツを誤って削除してしまうことがあることを自認している。しかし、ある投稿がサイトのポリシーに違反しているかどうかについて、大量の苦情があったからといって、それを違反の「良い指標」だとみなすことはないと主張している。

校正:Takako Nose

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.