フランス:最近流行の食べ物、キノコ

Comestible? Pas sûr! licence creative commons Pavlinajane sur Flickr

これ、食べられるの?知らないよ。PavlinajaneがFlickrに投稿した写真。CC-BY-2.0

特に断りのないリンク先は、すべてフランス語のウェブサイトである。

経済危機とより健康な食事の必要性の二つがあいまって、地元産の食品を食べるという世界的な流行がフランスにも広がってきた。そしてその主役はキノコだ。

Google blogで「キノコ」と検索すると、708,000件もの検索結果が表示される。ブロゴスフィア(訳注:全てのブログとその繋がりのこと)でキノコに魅了されている証拠だ。この流行の草分け的存在の Cristau de Hauguerneは、キノコへの親しみに対して詩的になっている。 

Dès que la neige eut fondu, que la pluie cessa et que le soleil put enfin réchauffer les pentes, les cèpes d'été en surprirent plus d'un dans la hêtraie-sapinière. Quelques sujets en prélude fin juin, mais, loin de faiblir, sans l'ombre d'un orage, l'activité mycélienne s'intensifia graduellement dans le courant du mois de juillet, aestivalis entrainant même pinophilus dans sa fureur de vivre. Après deux années d'indigence, au faîte de l'été, de par leur abondance ces cèpes conférèrent finalement aux sous-bois de hêtres l'allure de la grande pousse automnale. 

雪がとけてまもなく雨がやみ、ようやく太陽が丘を暖め、夏のポルチーニ(訳注:ヤマドリタケという食用キノコ)がブナやモミの林に現れ、大勢が驚いた。六月末にかけて少数の気が早いのが現れたが、嵐がくる気配を見せずに、菌糸体が途切れることなく成長・増殖し、七月を通して徐々に勢いを増していき、pinophilusのような種がaestivaisのような種を繁殖したいという熱意で連れてくる。二年にわたって順応したあと、夏の盛りに多数のポルチーニがブナ林に盛秋の色を出した。

キノコには長年にわたってファンがいるが、この頃は一般的にもさらに重要な地位を得るようになった。ワインや旬の果物・野菜のように、キノコは思想としても料理としても高く評価され、より豊かな生き方や地元の農家との近接性などと関連付けられる。 

2月13日に出版された雑誌 We Demain の最新号には、「キノコは新たな万能薬」とさえ主張されている。

地元産か輸入品か

Shiitake (Lentinula edodes) licence creative commons Kozumel sur Flickr

Flickrに投稿されたシイタケ(Lentinula edodes)の写真。Kozumel撮影。CC BY-ND 2.0

しかし、この傾向は自己矛盾している。一方では地元栽培を強調しながら、他方では輸入されたキノコの珍しくすばらしい効果を美化する。近頃はシイタケエノキなどアジア産のキノコが、一般的でありふれた マッシュルームと並び、フランスのスーパーの棚を飾っている。

シイタケは大抵のキノコにある利点をすべて持っている。アンチエイジング効果、抗がん特性、三種のビタミンB源などだ。ブログRéseau Bilobaはシイタケに見られる多数の利点を詳しく解説している。

Le shiitake est riche en fibres alimentaires; substances qui ne sont pas digérées par l’organisme. La majorité des fibres du shiitake sont sous forme insoluble, fibres qui contribuent particulièrement à maintenir une bonne  fonction intestinale. De plus, une alimentation riche en fibres peut participer à la prévention des maladies cardiovasculaires et du cancer du côlon, ainsi qu’au contrôle du diabète de type 2 et de l’appétit.

シイタケは生物が消化できない食物繊維が豊富。シイタケに含まれる繊維の大部分は不溶性だから、健康的なお通じを保つことができる。さらに繊維に多く含まれる栄養は、心臓病や大腸がんの予防および2型糖尿病や食欲の抑制にも期待できる。

ではこのキノコの消費はただの一時的流行、デマ、あるいは大発見なのだろうか。ブログAbsolutely Green にはもっともな内容が投稿された。

A l’origine, on suppose que ce sont les Chinois qui ont découvert ce champignon, il y a plus de 6 000 ans. (…) Et pourtant, ce sont les Japonais (…) qui le diffusèrent à travers l’Asie, à partir du 11ème siècle. Plus qu’un aliment, le shiitake était envisagé comme une sorte de végétal miracle, augmentant la longévité, améliorant vigueur sexuelle et endurance physique. Encore de nos jours, cette réputation lui colle à la peau et fait débat. 

En comparaison, les Occidentaux se sont initiés tardivement à cette culture : il a fallu attendre les années 1970, alors que les Etats-Unis décrétaient un embargo sur les champignons vivants en provenance d’Asie, pour que des producteurs s’y attèlent. Et, encore de nos jours, les Européens restent frileux : quelques initiatives en Hollande et en France se comptent sur les doigts de la main.

このキノコは6000年以上前に中国で初めて発見されたと考えられている。ただその普及の主役を果たしたのは日本で11世紀以降アジア全域に普及した。単に食べ物というだけでなく、長寿、精力強壮、持久力の改善など、シイタケは薬草の奇跡のようなものだと考えられる。現在でもなお、盛んに討論されるほどの評判がある。

これに比べ、西洋人にこの文化が導入されたのはもっと後のことだ。1970年にアメリカが生のキノコの輸入をアジアから禁止したことにより、ようやく栽培が始まった。 現在でさえ、欧州人は気後れしており、ほんの一握りの冒険的栽培業者がオランダとフランスにいるだけである。

留意すべきなのは、Virginieが同ブログに載せた詳しい比較研究にも示されているように、シイタケは決して安価ではないことだ。それでも味わったことのある人なら分かるように、シイタケはかなり美味だ。特に少量のオリーブオイルとこしょうで炒めただけのものは良い。

キノコの選び方と料理法

Cèpe de Bordeaux

caitphilがFlickrに投稿したボルドー・ポルチーニの写真。CC-BY-2.0

地元(訳注:フランス)でも、自称ハンターの手に届くキノコはたくさんある。シャントレル(訳注:アンズタケ。フランス料理に用いられる高級品)やアミガサタケボルドー・ポルチーニ を採ることは、シイタケの効用を追求する動きと同様に、「大地に帰ろう」、「基本に帰ろう」という動きでもある。

しかし時たまにしかキノコ狩りをしない人には、悲惨な事態を避けるために予備知識を得ておくことをお勧めする。保健省によると、2013年には546件のキノコ中毒が記録された。キノコ狩りをする人は、散策する範囲にも気にかけなくてはならない。そこが規制されている場合もある。

さらにこのフランス語のビデオでは、環境汚染物質を濃縮するというキノコの意外な潜在能力について説明されている。 

手摘みの野生のキノコは来客時の食事の中心となり、シンプルなものから複雑なものまで幅広い方法で調理される。AnneのブログPapilles et pupillesでは、ボルドー・ポルチーニの真髄を共有している。

C’est le roi des champignons locaux, à côté de lui nul n’est à la hauteur. (…) Les coins à champignon comptent parmi les secrets les mieux gardés que l’on ne partage que sur son lit de mort. 

これはキノコの王様で、他の地元産のものとは比較なんてできない。キノコの採れる最高の場所は厳しく秘密にされ、死の床でしか語られないの。

一流シェフは野生のキノコを使ったレシピを勧める。アミガサタケとホワイトマッシュルームのクリーム仕立てから、エシャロットと黒トリュフの添えられた豚足パンケーキまで、ベジタリアンと非ベジタリアンの両方の好みに合う何かがあるのだ。

生のポルチーニを使った、有名なシェフのシンプルなレシピがある。 

彼は下記のように手順を説明する。 

ポルチーニの傘と軸をわけ、薄く切ってください。
刻んだポルチーニをボウルに移し、塩とオリーブオイルで下味をつけます。
塩、コショウ、オリーブオイル、レモン汁と、トリュフ汁もあれば加えましょう。トリュフオイルではありません。
バジルの葉を加え、混ぜます。サラダに照りが出るはずです。
塩、コショウ、オリーブオイルで味付けをしてください。

真冬(訳注:原文の掲載日は2月9日)でもCristau de Hueauguerne には、焦眉の問題がある。

Alors que nous sommes rendus au milieu d'un hiver méconnaissable, se dessine en sous-sol la future saison des champignons, qui ne connaît pas de trêve, et, quoi que cela s'avère fort difficile et hasardeux, nous sommes déjà nombreux à nous demander quelle sera la teneur du millésime 2014. 

かつてないほどの冬の真っ只中だが、次のキノコシーズンが土の下で準備されている。リスキーで気が早すぎるようにさえ見えるかもしれないけど、2014年の収穫 がどうなるのか気にする人は多い。

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