イスラエル:ハリー・ポッターは安息日を守らない?

世界同時に行われた『ハリー・ポッターと死の秘宝』の発売が、イスラエルの法律で事業所が休業することが定めらたユダヤ教安息日中である、イスラエル時間午前2時01分に開始された。それにもかかわらず、イスラエルで最大の書店チェーンSteimatzkyは、定められた時刻に本の発売を開始し、テルアビブ港で催し物を開催した。エリ・イシャイ通商産業労働大臣はイスラエルの主要書店に対し、ハリー・ポッター最新版の販売を安息日中には開始せず、安息日の終わりまで延期するよう求めていた。彼は、労働時間を定める基本的なイスラエルの法律に違反する店に罰金を科し起訴するつもりであるとしている。

Steimatzkyは、予定されていたとおりイベントを開催し、昨夜遅くに何千人もの待ちきれないファンを集めた。イスラエルの法律では、安息日にイスラエル人労働者が働くことを禁じている。しかし実際には、安息日に開店し完全営業をする会社が増えている。罰金が科されても、安休息の日とされている日に営業し続けると大きな利益が得られる。しかし、多くの人びとが信じているのとは対照的に、この法律の目的は単に宗教的なのではなく、従業員を上司から守るという、社会的な意図も含んでいる。立法者は、非宗教的であろうと宗教的であろうと、すべての従業員に一週間に一日家族と過ごすための休息日の権利を与える重要性を感じていた。しかし、この様な競争が激しく資本主義的な環境では、週末レジャーへの高い需要があれば、強制的な罰金によって金銭的損失があったとしても、市場動向には適っている。全体的な利益は大抵その損失を上回る。

あるイスラエル人ブロガーは、この法律の複雑さについて述べている:

この国で一部の問題がどう扱われているかについては、年を追って宗教的な市民と非宗教的な市民との間で複雑な意見の相違が持ち上がっているのは秘密ではなく、安息日の話は特に難しいものだ。イスラエルの法律は安息日を休息の日と定め、その期間中に企業体が営業することをはっきりと禁じている。実際には、この法律はほとんど守られていない。今、何が起こっているか見てみるといい。土曜日に営業している会社はどんどん増えているし、ショッピングセンターや他の商業地区は支障なく営業していてる。その結果、大きなチェーン店舗と、土曜日に従業員を雇う余裕のないために多くの損失を負う(そして罰金を負う)小規模の個人経営の店との間で激しい競争が起きている。

こんな選択的なやり方でこの法律を施行して適当なのだろうか? – 土曜日にハリー・ポッターを売る書店に罰金を科して何か解決されるのか?これで実際に安息日の面子が守られるのか?なぜ大臣はこの特定の時を選び、スーパーヒーローのように振舞い罪人から安息日の面子を守ろうとするのか?毎週土曜日に大勢のイスラエル人がショッピングモールに集まる時、エリ・イシャイとラビツはどこにいるのだろうか?法律をきちんと施行する時なのか、または不干渉を続ける時なのか?

もし売られている本が宗教的信仰を公然と批判したものでなかったとしたら、大臣は同じように反応したのかと、それでも私は思う。偽善行為に際限はないのか?

下の写真は、土曜日の朝に本を買おうと興奮したファン数千人を集めたイベントの会場に飾られていたポスターのうちの一枚。

Harry Potter sales event during Sabbath in the Tel Aviv port

原文:Gilad Lotan

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