シリア:ダマスカス旧市街の破壊

ダマスカスは連続的に人が居住した世界最古の都市であることを誇る。ダマスカスの歴史は紀元前8000年にまでさかのぼる。古い路地にはいたる所に全ての時代の面影が見られる。1万年近くも地震から侵略まですべてを乗り越えてきたこの都市はいま、「モダニズム」の脅威の下で崩れようとしている!

Syria News WireのSasaは、ダマスカス旧市街の状況についての一連のエントリーや、旧市街の保護と保存のために行われている取り組みを集約した。

第1部では、旧市街の壁の外にある道路を拡張するために古代地区Al-Amaraを取り壊すという昨年持ち上がった計画を取り上げている。この計画はシリア人の間で怒りをかい、とりあえず密かに中止されるまで、いたるところで抗議行動が行われた。

店主たちはこの計画に激怒し、Facebookやブロガーのキャンペーンが立ち上げられた。これは請願運動へとつながった。そして最終的には、ジャーナリストたちがこの企画案をかぎつけ、国際ニュースとなった。そして、 ダマスカスのアラブ文化の首都年開始のほんの数か月前に、旧市街保護のためにさらに取り組みが行われないのならダマスカスを世界遺産から除外するとユネスコが脅しをかけるという一撃。


ダマスカス、al-Amara地区Bab al-Faradis

第2部は、ダマスカス旧市街で最も長く古い道のひとつである「まっすぐな道」での保存活動を取り上げている。Sasaは、この通りは長い間しがらみを受けてきたので計画の重要性を認めてはいるものの、計画のまずさと、オスマン時代の古い屋根など特別な意味を持つ古代市場の重要な部分が見境なく建て替えられていることを嘆いている。

「まっすぐな道」とスーク・ハミディーエに掛けられたブリキの屋根は、オスマン時代の主要スーク(市場)改装にまでさかのぼるものだ。フランスによる占領に対する反乱時に、銃弾によって穴があいた。そしておよそ100年間そのままの状態だ。暗いスークの中に差し込める日の光はまばゆいほどに美しく、シリアの独立への苦悩を日々思い起こさせる。
しかし、「まっすぐの道」の歴史によって装飾され数世紀もの歴史をもつ黒い屋根は、新しい白いものに取り替えられている。


古いブリキの屋根が掛かる「まっすぐの道」

第3部は、過去に個性のないマンション群の場所を作るための破壊に直面した古い地区Saroujahへと私たちを案内する。この地区の残りの区域を取り壊す計画は保留となり、計画を遂行するか否かは今年末までに決定されるとSasaは言っている:

しかし最近、旧市街を管理する–そして欧州連合とうまく連携している–組織が、Saroujahの責任を引き継いだ。Saroujaの運命が変わるかもしれない?
ここ数か月で、地区の一部を再舗装した( Medhat Pashaほど不便が生じることもなかった)。これでもう破壊はありえないということ?
旧市街近代化当局が発表した文書によると、彼らはSaroujahの未来について今年末までに決断を下すという。


ダマスカス、Sarouja

旧市街に新しい企業文化が強まる中で、旧市街を守る唯一の方法は市民社会による取り組みだ。al-Amaraの悲惨な計画を取りやめさせることができたのだから、トンネルの先にはまだ望みがあるのかもしれない。

写真はSasaの提供による

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