イラン:司法捜査担当者、宗教指導者を汚職で非難

イラン司法調査・再審理委員会委員のアッバス・パリザーは、今月、ハマダンにあるブーアリ大学で講演した際、数人の最高聖職者やイスラム共和国権力者を汚職で非難し、物議を醸している。

彼は違法取引や犯罪について詳しく解説し、専門家会議前代表兼議長のハシェミ・ラフサンジャニ、テヘラン金曜暫定礼拝聖職者エマミ・カシャニ、イマーム・レザ廟基金代表アヤトラ・ヴァエズ・タバッシなど大きな影響力を持つアヤトラたちなど政治家を数人挙げて非難し、数億ドルを不法蓄財したと非難した。

イランのブロガーの何人かが彼のスピーチを掲載し、イスラム共和国では例外的なこうした事件について彼らなりの意見を伝えている。この物議を醸したスピーチの後、大学にあるイスラム学生協会は閉鎖されたようだ。

マノ・ショマ(Mano Shoma)ブログ[Fa]は、アッバス・パリザーがイランの「腐りきった有力者」と名指ししていることを詳しく述べている。

エマミ・カシャニ師は、自分の子どもが障害を持っているため、障害者のための団体を登録し、子どもをその団体に入れたいと言った。次にやってきた時、その団体には財政支援が必要で、ファース州の鉱山を手に入れたいと言い始めた。ここは世界有数の鉱山だ。その次にやってきたときは、その鉱山だけでは十分ではなく、ザンジャン州にある鉱山も要ると言った。現在、彼は4つの鉱山を所有し、障害者団体を支えている。

こうした例は枚挙に暇がない。パリザーは、前裁判長でもあった宗教指導者ヤディ師がクォムに女性向けの法学部を新設するために、デナ・タイヤ工場の買収を許可されたことを詳述している。このタイヤ工場は6億米ドルの価値があったが、ヤディ師は1億米ドルで買収することが認められていた。その後、ヤディ師はこのうちの20%だけを現金で払い、工場はイラン株式市場で売りに出され、莫大な利益を生んだ。

Azarmehrは、インターネットに保存されていたアッバス・パリザーのスピーチ動画にリンクをはり、主な点を英語に訳している。

質疑応答中、なぜラフサンジャニ師の汚職については話さないのか、ラフサンジャニ師の権威を恐れているからかという質問に対し、パリザーは、ラフサンジャニ師による権力濫用はあまりにも多く、その問題だけで別途集会を持つ必要があるだろうと答えている。

パリザーによると、ラフサンジャニ師はカナダの石油企業や観光地キッシュ島に利害関係を持っている。また、ラフサンジャニの息子のメヘディが女性従業員を性的に搾取している様子を映したビデオもあるという。

イスラム共和国のジレンマ

イスラム教徒の歴史学者アブドラ・シャバジは、イスラム共和国指導者として定義されているような「革命の所有者たち」はジレンマに陥っていると言う。つまり:

現状維持、つまり今の状況を存続させてイランを第2のパキスタンとするか、イスラム共和国を再生させるか、という2つの選択肢に悩んでいるというわけだ。第3の選択肢は存在しない。選べるのは、組織化された汚職を受け入れるか、イスラム革命の指導者であった故ホメイニ師の目標を現実のものとするべく、汚職に立ち向かうか、である。

なぜ、今になって?

マハメ・ホビム(Mahameh Khobim)[fa]は、なぜ今、このときにこうした驚愕させるような暴露がなされたのか、いぶかしんでいる。その理由は? そして、なぜ、今なのか? マハメは、保守右派を抹殺すべく標的としなくてはならないと考えている。

ハッサン・アガ(Hassan Agha)[fa] は、インフレ、失業、こうした類の政治的現実など、現在イランで起きていることと、シャー政権の結果としておきていることとを比較している。

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