チュニジア: 「招かれざる客」だったヒラリー・クリントン

この記事は、2011年チュニジア革命特集の一部です Tunisia Revolution 2011.    
革命的な抗議行動により、チュニジアのベンアリ前大統領が国外に追放されてから2か月後、米高官4人がチュニジアを訪れた。4人はジェフリー・フェルトマン国務次官補(中東担当)、ウィリアム・バーンズ国務次官(政治担当)、ジョゼフ・リーバーマン、ジョン・マケイン各上院議員。2011年3月15日(水曜日)夜には、ヒラリー・クリントン国務長官が、エジプト訪問に続いて、首都チュニスに到着した。   
エジプトでは、1月25日革命青年連立評議会が、クリントン長官と会える招待を拒否した。「革命に対する初期段階での彼女の消極的姿勢と、中東地域に対する米政府の取り組み方のため」と連立評議会側は理由を述べている。クリントン長官のチュニジア訪問についての反応は、エジプトとほぼ同じだった。  

 

 チュニジアの首都チュニスでクリントン長官の訪問に反対する抗議
行動。Emir Ben Ayed撮影、著作権Demotix(17/03/11)。
実際、水曜日と木曜日には、訪問に反対する抗議行動がチュニスで起きた。反対派は、米政府がベンアリ体制の同盟国として知られたことを根拠にして、クリントン長官のチュニジア訪問を偽善の極みと受け止めている。  

Bassem Bounenniは書いている

Une centaine de Tunisiens ont manifesté hier à Tunis pour dénoncer la prochaine visite de la secrétaire d'Etat américaine Hillary Clinton. “Clinton dégage”, “non à la présence américaine en Tunisie”, scandaient les manifestants près du ministère de l'Intérieur en brandissant des banderoles anti-américaines.    

チュニジア人約100人が、チュニスで昨日、ヒラリー・クリントン国務長官の訪問を非難するデモをした。「出て行け クリントン」「チュニジアにアメリカの抑止力は要らない」と、反対派は反米の横断幕を掲げて外務省近くで繰り返し叫んだ。       

  Kacem Jlidiは言う

訪問やその不明確な目的だけでなく、正確な訪問日について報道管制が敷かれたことも、チュニジアの若者達が街頭に出て、 Hbib Bourghiba通り(首都の目抜き通り)やアメリカ大使館の隣接、 Tunis Carthage空港でデモをする十分な動機付けとなった。デモはここ3日間(3月15ー17日)続いた。

彼はまた、警察が、平和的手段でデモをする人達に実力行使をしたと報告している:    

いやー、平和的な示威運動で始まったデモが、警察の暴力攻撃で一蹴させられるなんて! 警察が攻勢をかけ、反対派2~3人を逮捕したとか、反対派を怖がらせるために複数の犬を使い、デモ隊約30人が支えていたいくつかの看板を警察が破壊したとかも伝えられた。   

反米の反対派はまた、ヒラリー・クリントン訪問の裏には隠された意図があると主張する。ツイッター利用者の Nizar Moalla (@NIZARMO)は、3月17日に以下の質問を出した:   

@NIZARMO: penser vous que hillary clinton a visiter l'Egypte et Tunisie pour leur faciliter d'utiliser nos base aérien contre la Libye ??     

ヒラリー・クリントンは、我々の空軍基地を使用することをより容易にするためにエジプトとチュニジアを訪問したと思いますか?

 Kais Sellami (@kaissellamy)は、同じ日につぶやいている:

@kaissellamy: je crains Ke #clinton est parmi nou pr negocier une base arriere en #Tunisie pr attaquer la #libye et de meme di coté de l’#egypte    

クリントンは、リビア攻撃の後方基地を求め、交渉するためにチュニジアとエジプトに来たのかしら?

 Sami Khalifa (@S_Khal)は言う:

@S_khal: Il faut dire a H Clinton qu'on veut notre democratie et pas celle qu'elle voudra pour nous #tunisie     

ヒラリー・クリントンは、我々が求めているのは自分達の民主主義であって、彼女が我々に求めている民主主義ではないことを知るべきだ。

Freedomtunisia (@freedomtunisia)は言う:

@freedomtunisia: clinton cherche un nouveau dictateur pour la Tunisie ou pour l'Egypt Dégage … #sidibouzid #feb17 #jan25     

クリントンはチュニジアとエジプトの新たな独裁者を探している。消え失せろ・・

3月17日木曜日夜、ヒラリー・クリントンはチュニジアの民間テレビ局Nessma TV.のトークショーに出演したが、余りに底が浅く、重要課題から的がはずれた番組として、視聴者から不評を買った。   

Iadh Jomaa (@iadh65) のつぶやきは厳しい:

@iadh65: #Tunisie #Clinton réponses plates à questions toutes aussi plates. […]    

浅はかな質問に浅はかな答え

  Kacem Jlidiは書いている:

我々が聞きたいことは分かっているという言葉を口にしたうえで、 約束事を述べ、その見直しや米政府がやれることを検討するために我々の要求を聞きたいと語る間、ヒラリー・クリントンが浮かべていた満面の愛想笑いのみが、1時間のトークショーの中で特筆すべきことだったのではなかろうか。 

彼は付け加える:  

ツイッターやフェイスブックで最新情報に通じている人なら、クリントンが数人のチュニジア人ブロガーに話しかける手はずだったことに気付いただろう。アメリカ大使館とマイクロソフト社が、知っているブロガーリストを  Nessma TV.に推薦し、 Nessma TV.もお気に入りのブロガーリストをすでに持っていたらしい。彼らは、どんな質問が出るのかをコントロールできるブロガーを厳選する必要があったのでは? 質問の中には多分、こんなのもあるはず:  

ー チュニジア人とエジプト人に向けて使われた、それもアメリカ製とイスラエル製の催涙ガス弾 ・兵器と実弾を、あなたはどう説明するのだろうか?  

ー 独裁者を支持し、そのうえで自分達の民主主義拡大について話す米政府は、どうしてそんなに偽善的なのか?  

This post is part of our special coverage Tunisia Revolution 2011.

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