ボスニア・ヘルツェゴビナ:ワールドカップ出場を地域を超えて祝福

[訳注:原文の掲載日は2013年10月16日であり、記事内容は当時の状況を反映している]

サポーターたちは、首都サラエボの通りでこの歴史的な勝利を夜通しで祝った。「ズマイェヴィ」の愛称で知られるボスニア・ヘルツェゴビナ代表のFacebookファンページの画像。画像は使用許可済。 

サポーターたちは、首都サラエボの通りでこの歴史的な勝利を夜通しで祝った。「ズマイェヴィ」の愛称で知られるボスニア・ヘルツェゴビナ代表のFacebookファンページの画像。画像は使用許可済。

2014年サッカーブラジルワールドカップへ、ボスニア・ヘルツェゴビナ(以下ボスニア)が出場を決めて12時間ほど経った今でも、ボスニア人は歴史的瞬間を祝い続けている。ソーシャルネットワークでは、ボスニア人の歓喜の声と他国からの応援メッセージであふれている。

昨夜と今日(2013年10月16日)で、ボスニアの政治が混沌としていること、EU諸国がボスニアに対し制裁措置を脅しに使っていることを、ソーシャルネットワークや地方ニュースで見かけることはない。 今、人々の唯一の関心およびタイムライン(訳注:TwitterやFacebookの機能)の話題は、ボスニアがワールドカップ予選でリトアニアに1-0で勝利し、本戦出場を決めたことだけだ。OSCEボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッションOSCEボスニア・ヘルツェゴビナ・ミッションの公式Twitterも他のことは置いて、昨夜はボスニアのこの勝利を伝えた。

イビシェヴィッチ(訳注 : ボスニアヘルツェゴビナ代表の選手。リトアニアとの試合で決勝点を決めた)は、ボスニアヘルツェゴビナを2014年ブラジルFifaワールドカップへと導いた。@FifaWorldCup #Brazil2014 http://fifa.com/worldcup/preli… #BiH

ボスニアヘルツェゴビナの至る所で、サポーターは世界最大のスポーツイベントへの歴史的出場に心を震わせている。Twitterユーザーでサラエボ出身の@samrich_ は次のように言った。

父が泣いている。誓ってもいい。 #BosnaiHercegovina #Brazil #BiH #Bosnia #Football

この勝利は、ボスニアで広く祝われている宗教的な祝日「クルバンバイラム」の日に訪れた。この祝日は世界のイスラム教徒の間で犠牲祭としてよく知られており、ソーシャルメディアのいくつかは、この巡り合わせを奇跡だと伝えている。 ソーシャルメディアユーザーの何人かは、 メッカ巡礼 最終日の祝日に贈られる伝統的な挨拶「Bayram Sherif Mubarek Olsun(聖なる祝日になりますように)」をワールドカップに掛けて表現し、このことに腹を立てる者はいなかったようだ。 それどころか、モンテネグロ出身のNikola Bajčetićによる次のツイート のように、上機嫌にユーモアを交えて歓迎された。

よいブラジルワールドカップになりますように ! :)))本当におめでとう、#BiH (ボスニア)! #fudbal

リトアニアとの一戦は紛争地域全体を一つにまとめ、セルビア、クロアチア、モンテネグロの人々はボスニアの勝利を共に祝った。クロアチアは昨夜、スコットランドに2-0で負けたが、まだわずかにプレーオフに進む可能性が残っている。しかし、セルビアは数カ月前にワールドカップ出場の可能性を失っており、セルビアのスポーツ史上最悪の予選遠征の一つとなった後であった。 セルビアは、しかしながら、2013年10月15日のマケドニアとの一戦には 5-1と圧勝している。これによりマケドニアのブラジルワールドカップ出場という夢もまた潰えた。 上記の3カ国(セルビア、クロアチア、モンテネグロ)はすべて、敗北の余韻の真っ最中であったが、ボスニアの歴史的勝利を祝福した。モンテネグロ出身のNikola Radović は次のように言った。

ポドゴリツァスタジアムで#CrnaGora(モンテネグロ)の応援に声をからしているが、#BiH(ボスニア)のワールドカップ出場の知らせをスタジアムで聞いている。彼らを応援しよう。よくやったボスニア!

ボスニア代表は、イギリスやドイツ、オランダにスペイン、その他トップの代表チームと来年のブラジルワールドカップで対戦し、そして本戦のトーナメントを勝ち進んでいく見込みは低い。しかしながら、多くの人は次のように話す。ボスニアが今回のワールドカップでどのような結果を残すかは、今は重要ではない。独立国家として初めてワールドカップに出場したことが、どんなタイトル獲得よりも価値のある歴史的瞬間だ。下の動画は人々がワールドカップ出場を祝い、夜通しでサラエボの通りに出ているところである。

校正:Sadako Jin

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