ロシアの候補者ロックンロールで最後の訴え

Yekaterinburg mayoral candidate Evgeny Roizman sings alongside Russian rock icon Andrei Makarevich, 6 September 2013, screen capture from YouTube.

ロシアロック界のカリスマ、Andrei Makarevich と共に歌うYekaterinburg市長候補、Evgeny
Roizman。2013年9月6日のYouTubeへの投稿ビデオより。

ロシアは、2013年9月7日に「選挙戦沈黙の日」を迎える。選挙戦沈黙の日は地方議員選、市長選、そして国会議員選の投票が開始する24時間前より始まるのだが、この日を控え、候補者たちの多くは選挙戦最後のチャンスを、9月6日、金曜日に託す。RuNetのチャットルームのユーザーのほとんどは、豪華スターたちが競演した、モスクワでのAlexey Navalnyに注目していた。コンサートには8千から1万人の聴衆が参加したにもかかわらず、少数の人だけがモスクワ市長選でのNavalnyの勝利を予測する。実際、最新の世論調査[ru]は、Navalnyは第二回投票にすら残れないと示唆している。

ところが、Yekaterinburg市の市長選では、対立候補のEvgeny Roizmanが先頭をきって走っている。Roizmanもまた、ロシアロック界の伝説、Andrei Makarevichを招いて9月6日にコンサートを開いた。Navalnyのモスクワでのコンサートが滞りなく行われたのに反して(悪天候をのぞいては)、Roizmanのコンサートはまたしても警察による嫌がらせを受けることとなった。

Roizmanのキャンペーンマネージャーおよび内縁の夫婦関係にあるAksana PanovaのFacebookの書き込み[ru]によると、このイベントはダウンタウンの労働広場[ru]で行われる予定だった。ところが、金曜日の朝Panovaとスタッフが現場に到着すると、ステージは解体され、数台の無人の大型トラクターがその周囲を囲っていた。PanovaはこれはRoizmanと敵対するSverdlovsk州知事のEvgeny Kuivashevの仕業だと言う。 現に、Panovaは、トラクターに入り込み操縦席の写真を収めることができた。するとその写真にはミニチュアのロシア国旗がたれ下がっている様子が写っていた。

9月6日朝のFacebookには、モスクワを基点に活動するジャーナリストのAnton Cherninも、地元権力筋がRoizmanのステージを解体することに加担した事件について報道[ru]した(Cherninは、この事件を州知事ではなく市長と結びつけているのだが)。Urals発のウェブポータル、Nakanune.ru内の コメント[ru]では、Yekaterinburg市の2人の職員が6日朝の事件についてそれぞれ違った談話を発表するなどして、コンサートは行政が不認可したのか、またRoizmanの主催者が「自ら進んで」ステージ撤去して中止したのか、真相は定かではない。

Panova(左)と Makarevich(中央の赤い服)と特別任務民警支隊(以下、特別任務隊)の隊員。2013年9月6日Yekaterinburgにて。

トラクターと消え去ったステージの理由はともあれ、Panovaは近隣の公園の別のステージの持ち主より急遽、承諾を得て、最終的にイベント開催にこぎつけることが出来た。Roizmanのスタッフの 推定によると[ru]、警察のバリケードで参加できない人々がいた(Panova談)にもかかわらず、1000人を超える観衆がキャンペーンに参加しMakarevichの歌に聞き入った。そして、この混乱は警察などによってもたらせれたものだったにもかかわらず、少なくとも3名の特別任務隊の隊員はロック界のカリスマと写真撮影をせずにはいられなかったようだ。この写真はもちろん、PanovのFacebookアカウント(右)にアップされた。そして、Panovは下記の通り満足げに断言する。

Андрей приехал. Сцену разобрали. Кругом ОМОН и автзаки. Макаревич улыбается. Гитара с ним. Все будет хорошо.

Andrei (Makarevich)が到着した。ステージは撤去されていた。特別任務隊と警察の車両が私たちを包囲している。(だけど)Makarevichは笑っている。ギターを手にして。すべてはうまくいく。

校正:Masato Kaneko

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.