全盛期!ロシアのウェブアニメ

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Masyanya travels to Budapest. Episode 121. YouTube.

マシャーニャ ブダペストへ行く 第121話 YouTubeより

ロシアのことを考えるとき、何が思い浮かぶだろうか。おそらく、ロケット研究者やKGBバッジ(訳注 KGBはソ連国家保安委員会の略称)、ウォッカ、ボルシチ、プーチンなどが次々とあふれるように頭に浮かんでくるだろう。ロシア文化に詳しい人でさえ、まずバレエや文学のことを考えがちで、ロシアのウェブアニメが先に思い浮かぶ人はいないだろう。しかし、このウェブアニメの分野でこそ、ロシアのインターネットは見事な成果を収めている。

10年以上にわたって、オレグ・クヴァエフ は 「マシャーニャ」と呼ばれるフラッシュアニメを製作してきた。このウェブアニメシリーズの題名は主人公の名前からつけられている。サンクトペテルブルクに住む20代前半の女性。少女時代はパンクでアナーキスト。成人するまでに2児をもうけ、今はこの2人の母親だ。

クヴァエフによると、この漫画は初め、友人との間での個人的なおふざけのつもりでインターネット上に投稿された。その後2002年9月に、人気テレビ司会者のレオニード・パルフェノフから、彼の番組の最後にマシャーニャの話を放送してはどうかと持ちかけられた。マシャーニャの放送はたった1シーズンしか続かなかったが、マシャーニャというキャラクターが世に出たことで、そのファンがしっかりと育っていった。

ロシアでのマシャーニャの絶大な人気について説明するのは難しい。この漫画は多くの点でユニークである。マシャーニャを中心にフリュンデルとロクマティという2人の友人を添えて話は進む。ありふれた日常生活に突飛な話が持ち込まれるといった具合にだ。アニメの中の会話はウィットに富み、堅苦しくない。またクヴァエフの描くアニメーションはその特徴として、見る者にある種独特な印象を与える。


(マシャーニャ モーニングコーヒーを準備する)

この主人公は疑いようもなくアニメの一番の魅力だ。マシャーニャは根っからの楽観主義者で、何事においても彼女一流の哲学観を持って行動する傾向がある。Feminismandreligion.comの寄稿者である Oxana Pobereinaia はマシャーニャのライフスタイルは仏教とフェミニズムの両方を兼ね備えたものであると論じる。マシャーニャはさまざまな社会的慣習に囚われることなく、自分自身の哲学に従って行動する。彼女は型にはまらない。たとえば、マシャーニャの結婚式は控えめだ。だが、結婚披露宴をするように離婚を祝い、友人をとりとめのない困惑へと誘う。お金に余裕がなくなったときも、マシャーニャは持ち物を売ったり、副業を探したりしない。代わりに、レジがない本屋にお金をつぎ込む。その本屋では客は言い値で本を買うことができるのだ。


(おっと、またまたマシャーニャのへま!) 

しばらくの間、マシャーニャは数人のアニメーターがいる製作チームで作られていた。しかし今は原点に戻り、クヴァエフが原案を考え、アニメを作成し、すべての音入れを一人でこなしている。新しいストーリーは 公式ウェブサイトで更新される。訪問者は、漫画やゲーム、あるいはマシャーニャのアニメをベースにした着メロを手に入れることができる。

校正:Masato Kaneko

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