キルギスの少女活動家にとって重要な5つの問題

暴力に苦しむ少女に連帯を示す画像。写真はキルギスの少女活動家によるもの。

暴力に苦しむ少女に連帯を示す画像。写真はキルギスの少女活動家によるもの。

キルギスの少女活動家には13歳から17歳の少女がおり、厳しい環境の下、平等、正義、多様性といった少女の権利のために戦っている。

彼女たちの活動における重要な要素はブログである。そのブログで家父長制度文化が支配するキルギスの地方に在住する少女たちからの手紙を紹介している。

またブログにくわえ、少女活動家は彼女たちが男性と対等な立場で芸術、詩、音楽を通してキルギス社会に参加する意思を表明している。彼女たちは若者たちに男女平等のため the HeForShe movement(訳注:男女平等の実現を目的とした活動。女性だけでなく男性にも積極的に参加することを促している)に参加することを推奨し、教育やスポーツ、健康の権利やその他あらゆる機会を男女平等に開くことを目指している。

今週(訳注:記事掲載日は2015年1月19日)グローバルボイスはアイシューラ アイサエバ(17歳)と対談し、少女活動家がこの国で活動を行う動機となった問題を知ることになった。

「みんははフェミニズムというと男性を嫌うことだと思っています。」「でも、フェミニズムというのは暴力に反対するということなのです。」とアイサエバは言った。

問題点 1:教育

アイシューラ アイサエバ(以下AA):教育問題はキルギスではとても重要です。女子にとっては特にそうです。2013年に青年キャンプを開催した時に、私たちは討論の場で女子教育に関しての問題を提起しました。それでわかった事は親は教育に関して娘よりも息子の支援を選択するということです。

学校は時代遅れで家父長制度に基づく教科書を使用し、その多くは男性が著者です。

そのような教科書はキルギスの歴史や社会における男性の役割しか説いていません。女性や女性の体については無視しています。

以下は首都ビシュケクを取り囲むチュイ州に住む少女から私たちに送られてきた手紙の抜粋です。(訳注:3月9日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)

I never leave my house after school. And I see nothing new, every day is the same: a mountain of unwashed dishes, cleaning, washing, looking after children. I become exhausted, and then I do not have energy to do my schoolwork – J., 16 years old.

私は学校から帰った後、今までに外出したことがありません。毎日が同じことの繰り返しです。山のようにたまった汚れたお皿を洗い、掃除、洗濯、子供たちのお世話、目新しいことなど何もありません。へとへとに疲れて、学校の宿題をやる元気がないのです。J、16歳

残念ながらすべてのキルギスの少女が彼女たちに必要な知識を持っているわけではありません。学校に通う少女もいれば、通わない少女もいます。

私たちは芸術とグラフィティ(訳注:落書き芸術)を使い、映画上映を企画し、10代の少女たちの体験を共有しています。私たちのブログでは有名な女性科学者、探検家、政治家などの情報を発信しています。

私たちは女性が科学を勉強し、政治に関わることができることを示して、少女たちに元気を与えたいのです。女性も将来私たちの国で役割を担うことができる。そうなるには、とにかく少女たちに教育を受けさせ、参加するよう働きかけることが必要です。

問題点 2:多様性

AA:私たちはみな違っています。違う学校、村、年齢層の出身です。私たちはストリート ガール、LBTQ(略語:Lesbian, Bisexual, Transgender and Queer-レズビアン、バイセクシュアル、トランスジェンダー、同性愛者)、身体障害者であり、また暴力、憎悪、不正、差別に直面している少女たちなのです。

私たちが自分たちの体験談を収集し始めて、いかに私たちは異なるか、またいかに私たちの体験や生活は違うのかがわかりました。ただ、私たちが必要としているのは私たちが理解され、支援を受ける事が出来る場なのです。

I studied in the village (I cannot say where exactly I lived). My aunt is very good and kind, and her daughter is the same. But the most terrible thing is that I constantly experienced sexual harassment, physical and psychological violence, from her sons and my uncle. They said it was because I was a girl that they did that to me.I cried every day, because I couldn’t do anything about it, nobody would believe me. That was my childhood. In those days, I wanted to commit suicide – А., 16 years old.

私はある村で勉強しました。(正確な場所はお話できません)私のおばはとても親切ないい人で、おばの娘もそうです。けれど最悪なことに、私はおばの息子たちやおじから日常的にセクシャルハラスメントをうけ、また肉体的、精神的に暴力をうけていました。彼らは私が少女だからそういうことを私にするのだと言っていました。私は彼らのすることに対し、何もすることができず、毎日泣いていました。誰も私を信じなかったでしょう。私の幼少期はこうだったのです。あの頃の私は自殺してしまいたかったです。A、16歳

問題点 3:健康

AA:私たちはまた性と生殖関する健康への理解を奨励しています。健康に対する権利を知ることは私たちにとって非常に重要です。これに関しては常に私たちのキャンパスや会議、集会で話しあわれます。(訳注:3月9日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)少女たちに健康に対する権利について知ってもらい、自分の体に関わる決断を彼女たち自身で下してほしいのです。

I am already enough of an adult to decide what to do with my body. That is to say – it is my property. But the why does everyone decide for me, how to dress and what to do and what not to do with my body?! I want to shape my eyebrows and cut my hair. But my elder brothers don't let me have that opportunity – J., 15 years old.

私は自分の体をどうするか決めることが出来る程、十分大人だわ。つまり私の体は私の物だってこと。でも、どうしてみんな私の体に何を着、何をし、何をしてはいけないかって事をみんなが決めるの?!私は眉を整えたり、髪を切ったりしたい。でも私の兄たちがそうする機会をくれないの。J、15歳

問題点 4:形骸化

AA:私たちは一度女性に対する暴力に関する討論会に出席しました。議題は少女の問題に関する事なのに、私たちは部屋の後ろ側に座っていました。他の参加者はみな大人で、10代の少女に対する懸案につい議論していました。私たちが発言する機会が与えられた時に大人たちにこうたずねました-今日の参加者を見て下さい、なぜ私たちは私たちの問題について議論出来る立場ではないのですか、と。彼らは私たちをリストに加えるだけで、私たちの発言について真剣に受け止めようとはしませんでした。

この社会では私たちは自分たちのことについて話し合うことさえ出来ないのです。なぜなら、誰も私たちに最初に問いかけることを考えないからです。これは問題です。

問題点 5:平等

AA:キルギスの少女活動家が掲げる主要な目標の一つとは平等です。男女平等は全ての人にとっての問題で、私たちは少女、少年がともに男女平等に貢献し、促進して欲しいと思っています。

私たちは少女たちが直面した不平等や差別に関する体験談を集めています。少女たちは男の子でないために自分たちのしたいことが出来ないと私たちに語ります。社会がこういった固定概念を作りあげ、幼年期から彼女たちを支配し続けてきたからです。以下は少女から送られてきた手紙の抜粋です。(訳注:3月9日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)少女はキルギスの叙事詩であり、伝説の勇者の伝記「マナス」の語り手になりたいと願っていました。

I have been a girl Manaschi (storyteller of the Epic of Manas) since I was 3 years old. When I was a child, everyone thought it was great – they considered all children equal. But I grew up, and found that being an older girl is much harder. Beginning when I was 9 years old, everybody started telling me the stereotypes I should follow. And so my favorite pursuit – storytelling – stopped for a while. I had already resigned myself to the fact that I was a girl – К., 13 years old.

私は3歳からずっとマナスチ(マナスの語り手)なの。私が子供の時はみんなすばらしいことだって考えていたわ。みんな子供は皆平等だって思っていたのね。でも成長して大きくなると物事が難しくなることに気付いたわ。私が9歳になった頃、みんなは私が倣うべき固定観念について言い出した。私の趣味だった語り手はしばらくの間止めてしまったわ。私は自分が少女だという事実の前にとうに自分自身のことを諦めてしまったの。K、13歳

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