タイ軍政に逮捕されてしまう行動が一目で分かるイラスト

Prachataiによるインフォグラフィック(掲載許諾済)

Prachataiによるインフォグラフィック(掲載許諾済)

上のインフォグラフィック(訳注:情報やデータを視覚的に表現したもの)は、独立系ニュースポータルサイトPrachataiによって作成されたものだ。昨年のクーデターから、軍が政権を握っているタイの現在の状況を表すイラストである。

陸軍司令官プラユット・チャンオチャ率いるタイ国軍は、昨年5月のクーデターを通じて政権を掌握し、その後全国的に戒厳令を発令。また、憲法を停止、政治的指導者たちを拘束、厳格なメディア規制を行い、抗議行動も禁止した。

軍は、このクーデターは安定性回復のため、また様々な政治勢力による路上での激しい衝突を終結させるために不可欠だと主張した。民政を回復することを約束したが、政治や選挙の改革が確実に実施されてからだとした。

昨年8月に暫定憲法が承認されたのに続き、プラユット司令官主導で、軍を背景とした文民政権が成立した。プラユット司令官は、現在タイ王国の首相となっている。立法機関の設立も行われたが、その全てのメンバーが軍によって任命された。

クーデターの初日から、タイの活動家たちは軍事独裁制に抵抗してきた。その後、一般市民もこの国の熱心な活動家に加わり、選挙制や様々な民主的権利の回復を求めている。それに対する軍事政権の反応は、抗議者を拘束し、批評家と思われる人々に「態度の矯正」処置を施すというものであった。

しかし、タイ国民は異議の表明のため、独創的な方法に訴えた。5人以上での集会は禁止されているため、個々の抗議者たちは巧妙なやり方でメッセージを届けてきた。ジョージ・オーウェル著『1984年』を電車に乗って読む、ハンガー・ゲーム」の三本指敬礼真似る、フランス国歌を流すなどである。

Prachataiのインフォグラフィックは、ここ9ヶ月の間で当局に抑圧されてきた典型的な運動を、いくつかまとめたものである。こうした行動を「犯した」人々は、「タイ国家の治安を乱した」との理由で逮捕されてきた。軍事政権の猜疑心はより深くなっている。

  1. 白紙の、もしくは反クーデター声明が記されている、A4の紙を持つ
  2. 顔や目、口を覆う
  3. 逮捕された抗議者たちを助ける
  4. 「平和をください」と書かれたTシャツを持つ
  5. ハンガー・ゲームの三本指敬礼を真似る
  6. マクドナルドに集まる
  7. ジョージ・オーウェル『1984年』を読む
  8. 公共の場でサンドイッチを食べる
  9. フランス国歌を流す
  10. 赤シャツを着てイカフライを売る
  11. クーデターを非難する声明を発表する
  12. 「人民」と書かれたマスクをする
  13. 「私の一票に敬意を」と書かれたTシャツを着る
  14. ジャーナリストに近づく、もしくは近づかれる
  15. 民主主義を訴えてランニングをする
  16. 「プラカードを掲げることは犯罪ではない」と書かれたプラカードを掲げる
  17. フェイスブックに反軍事政権的な写真や、「戒厳令反対」メッセージを投稿する
  18. 政情に関する学術セミナーを開く
  19. ハンガー・ゲーム3を公開初日に見るため人を集める
  20. 民主主義についての詩を載せたチラシをばらまく
  21. 軍事政権のリーダー、プラユットに三本指敬礼をする
  22. タクシン・シナワトラ(前首相)の四角い顔のロゴをつけて果物を売る

Prachataiによると、軍事政権が言論の自由に関する権利を抑圧しているため、人々の心はますます政権から遠ざかっているという。

Although these anti-junta actions have resulted in intimidation, arrest, detention, and lawsuits from the military, the junta’s draconian measures to suppress people who simply want to exercise their basic rights only drive more people against the regime.

こうした反軍事政権活動は、軍によって脅迫や逮捕、拘束や訴訟を受ける結果に終わってきた。しかし、軍事政権が厳しい規制で抑圧しているのは、ただ単に自らの基本的人権を行使しようとしただけの人々である。厳しい規制はかえって、より多くの人々を反政権に駆り立てるだけなのだ。

校正:Yuko Aoyagi

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