インドネシア:ブラックベリー、規制の危機

インドネシアの通信情報技術相であるTifatul Sembiringは、自身のツイッタ―アカウントを通し、ブラウザに性的な画像を遮断するフィルターをかけよとの政府の要求に非同調的だとして、ブラックベリーの製造元であるリサーチ・イン・モーション社(RIM)を訴えた。もしRIMがこの要求に1月21日までに応じなければ、政府はブラックベリーのブラウザをブロックするだろうとのことを付け加えた。

Tifatulは厳格なイスラム法の遵守と執行で知られるイスラム主義政党のメンバーである。

彼の反ポルノをかかげる最新のつぶやきに反応し、インドネシアの多くのツイッターユーザーたちはハッシュタグ#bbsyariahを使い始めた。以下はツイッターでの反応である。

dreamofDaru: #BBSyariah klo ditimeline ada yg ngetweet ‘Babi,Anjing’ henpon harus dicuci pake tanah 7x. #tif

もし「豚」や「犬」などという言葉を口にして悪態をつく者がいれば、その者の携帯は泥で7度清められなければいけない。

imanbr: Flirting di BB kepada bukan muhrim. muncul emoticon cambuk, rajam #BBSyariah

ブラックベリーを使って伴侶以外といちゃつく者には、自動的に鞭打ちか投石の絵文字が生じるであろう。

fanabis: #bbsyariah nama bb berubah jd ALblackberryah :

ブラックベリーはアッラーブラックベリーに改名するであろう。

WicakTP04: Pak @tifsembiring silahkan lihat hashtag #BBSyariah. Gara2 kebijakan Anda, skrg Islam jadi dipermainkan.

Tifatul Sembiring殿、#bbsyariahをご一読ください。あなたの規制のせいで、今イスラム教はばかにされています。

ハイテクに精通したインドネシア人たちから抗議の声を集めたあと、Tifatulは性的な画像のフィルタリングを推したことはRIMへの主要な要求ではないと述べた。その後彼は支持を得るため、ナショナリズムと自国の安全保障問題とを抱き合わせながら、別の要求や意見を持ち出した。

ともかくその試みはうまくいき、彼は族議員や地方の政治家、それから彼の始めの要求に対して当初のうちは懐疑的であった人たちからの支持を集めた。ITコンサルタントのDaniel Tumiwaによると、Tifatulが出した要求のいくつかは、すでにRIMによって実現済みの事柄だという。ここにあるのはBaban SarbanaによってまとめられたTifatulの要求と、Danielのツイッターでの論評である。

TS: Kita minta RIM agar buka perwakilan di Indonesia, karena pelanggan RIM di Indonesia untuk Blackberry sdh lbh dari 2 juta. #RIM
DT: #RIM sdh buka kantor Okt 10. BKKPM hadir. Dibuka olh Menteri Keuangan Kanada. Bpk Tidak hadir?
TS: Kita Minta RIM agar membuka service center di Indonesia untuk melayani & mudahkan pelanggan mereka yg juga WNI. #RIM
DT: RIM sudah punya belasan Srvc Center dan akan punya lebih dr 30 di thn ‘11. Done.
TS: Kita minta RIM agar merekrut dan menyerap tenaga kerja Indonesia secara layak dan proporsional. #RIM
DT: Done. Setahu sy Expat hanya 2. Sisa staff WNI. Done.
TS: Kita minta RIM agar sebanyak mungkin menggunakan konten lokal Indonesia, khususnya mengenai software. #RIM

T(Tifatul):RIMはインドネシアに代理店を開き、200万人を超えるブラックベリーユーザーにサービスを提供すべきだ。
D(Daniel):すでにRIMは2010年10月にインドネシア支店を開設しており、カナダの財務大臣とインドネシア投資調整庁がその場に参加しています。あなたはそこにいなかったんですか?
T:RIMはインドネシアにサービスセンターを開くべきだ。
D:RIMには多数のサービスセンターがあります。2011年にはのべ30か所に達するでしょう。以上。
T:RIMは地元の労働者を雇うべきだ。
D:すでにそうなされています。外国から来ている2名のマネージャー以外は、すべてインドネシア人です。
T:RIMは国産の部品と国内開発されたソフトウェアを使うべきだ。
D:RIMは部品生産をしていません。携帯電話機を組み立て、サービスを提供する会社です。

The RAB Experienceの管理人であるブロガーのRob Baitonは、Tifatulの反対運動を「奇妙」に思っている。

TitS(訳注:RobがTifatulにつけたニックネーム)はRIMを打ち負かそうと躍起になっている。彼は自らの職域を越え、ナショナリズムの矛先がRIMに向かうようこの争いを仕立て上げているのだ。実際のところ、彼はこう決めつけている…RIMは獲物を狙ってあたりをうろつきまわる異教の侵略者で、資源や富の略奪やレイプのためだけにインドネシアへやってきて、おまけに税金を1銭も払わないのだと。

税金は一般的には財務省の領域で、おそらくインドネシア投資調整庁の領域でもある。だが、他の省庁が第一に扱う対象ではない。TisSの主張を踏まえて、RIMが金を払っているのかどうか問うてみる価値はある。もしRIMがその金銭的な責務を果たしていないのなら、どうしてポルノ画像のフィルタリングに関した論争を受けて、世間の注目を浴びるようなことをするだろうか?

サムネイルの画像はFlickrのページbasibangetより。クリエイティブ・コモンズライセンスAttribution 2.0ジェネリック(CC BY 2.0)の規定に基づいて使用。

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.