インドネシア:マイノリティ宗教の信者へ振り上げられる拳

インドネシア国内のイスラム教アフマディア派信者たちに対し、告発が相次いでいる。2008年、政府はアフマディアの存続は認めるものの、布教行為は禁止するという法令を発布した。以来、信者たちが暴徒や他の狂信者たちによって公共の場で襲撃を受ける事件が続いている。しかしながら、容疑者たちが警察に逮捕されたことはない。

8日ほど前、チケウシク分区で開かれていたアフマディア集会所が、1500人以上の群衆から襲撃される事件が起きた。老人や女子供は集会所から逃げ出すことができたが、男たちは「神は偉大なり」と叫ぶ群衆に襲われた。群衆は石や鉈を武器にしていた。
この事件で3人のアフマディア信者が死亡し、数名が重傷を負った。報道によると、被害者の遺体は後に木に吊るされたという。

KontraS(行方不明者と暴力被害者のための委員会)などからなる人権NGO団体は、この事件の一部始終を長々と収めた映像を入手することに成功した。この映像の一部はYoutubeに投稿されている。また同NGO団体は、地区に駐在していながらも暴徒の凶行を許したとして、警察の職務怠慢を訴えた。

この件を受け、バンタン県の警察署長は免職となった。

(注意:以下の動画には凄惨な映像が含まれています)

EngageMediaに投稿された事件の動画も参照されたい。
(注意:凄惨な映像が含まれています)

ブログPolitikanaのライターMarjuki Alieは、同ブログの中で、責任を負うべきはアフマディア教徒殺害にかかわった者たちだけではないと述べている:

[…]hukum di Indonesia payah, mudah dibeli, mudah juga ditekan-tekan oleh kelompok-kelompok kepentingan.
[…]Kok pembunuh tidak bersalah, dimana logikanya? Mereka yang mengeroyok dan membunuh rame-rame itu pikirannya sudah sesat. Sesat gimana? Ya sesat karena mereka itu telah diajarkan bahwa yang mereka lalukan itu adalah benar. Mereka itu telah diajarkan bahwa yang mereka lakukan itu mulia, atas nama agama untuk membela agama.

インドネシアの法は弱い。簡単に買収され、利益を囲いたがる政治団体からの圧力を受けやすい。(…)殺人者が無罪だなんて、一体どんな理屈なのか。被害者を寄ってたかって攻撃する奴、人殺しに加担する奴は正気を失っている。なぜこんなことになったのか?それが正しいと教えられたからだ。この行いは信仰のためなのだ、信仰を守ることは崇高な行いなのだと。

激怒したツイッターユーザーたちは意見を戦わせている:

harimauterbang: なんてことだ。KKKがバンタンにやってきた!人を木に吊るしている!ああ!#ahmadiyah murders

TiaraMarieta : walaupun #ahmadiyah adalah ajaran yang menyimpang.namun tak selayaknya diperlakukan semena-mena.

アフマディア派が異端だからといって、不当に扱ってよいことにはならない。

syukronamin: Org2 yg membunuh warga #Ahmadiyah itu tdk sadar, bhw dasar negara kita bukan Islam, tapi Pancasila.
[…]Knp Ormas2 se-aliran #FPI hanya ‘protes’ ketika Teroris dihukum mati? Ketika ada warga #Ahmadiyah dibunuh mrk diam?

アフマディア殺人の犯人たちは、我が国はイスラム教ではなくパンチャシラ(インドネシアの建国5原則)のもとに成立していると気づいていない。
なぜ、FPI(訳注:イスラム強硬派組織の一部、イスラム防衛戦線[Islamic Defenders Front]のこと。マッサージ店や酒場を激しくバッシングしており、「覆面強盗」と揶揄されている)のような組織は、テロリストたちが死刑になったときには反対行動を起こし、アフマディア信者たちが殺害されたらおとなしくなったのか?

gitaputrid: Negara ini #Bohong menjamin kerukunan umat beragama,sebagaimana bohong melakukan pembrantasan korupsi

政府は嘘をついている。汚職の根絶が嘘であるように、異教徒が共存する社会も嘘だ。

トゥマングンの暴動

チケウシク分区の事件から2日後、ジャワ島の中心地トゥマングンで暴動が発生した。
冒涜法に反しイスラム教とキリスト教を中傷したとして、アントニウス・リッチモンド・バウェンガン被告が禁固5年の有罪判決を受けた。この知らせを聞き、他の市から1000人の群衆が集まり、トゥマングンの教会やキリスト教学校を破壊し始めたのだ。

ウェブサイトPeloporの著者、Colsonはこのように述べている

大統領や政府は、彼らと真っ向から向き合うのを避けているように見える。それどころか、強硬派に対しては譲歩の姿勢を取っている。インドネシア司教の言っていたことは正しかった:我が国は少数派を守れていない。

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